”柔らかいカツ”で見る市場創造、マーケティングってなんだろう?
感動するトンカツが取手市にあります。「やま忠」というお店でして、めっちゃ柔らかい揚げたてのカツとか牛肉の風味がちゃんと残っているハンバーグだとか、当たり前だろうけど実際できないようなクオリティのご飯が食べれます。
そこから、色々勉強になったので”柔らかいカツ”からみたマーケティングの話をします。
箸でも切れるくらい”柔らかいカツ”
見てもらった通りです。見た目普通のカツに思えるかもしれませんが、めっちゃくちゃ柔らかい。
薄いバラ肉を重ねてカツにしてるとか、そういうインチキ柔らかいじゃない普通のロースカツなのに柔らかいという感動の代物でした。
ランチタイムだと、コレが1000円くらいで食べれる。
「お年寄りだけ」のお客様が目立つ”カツ屋”
すごく新鮮だったのが、お年寄りの方だけのお客様が多かったんですね。
和食レストランという事で、もちろんファミリーや仕事のお昼休憩で来ている方も居ます。でも、おじいさんだけ、おぱあさんだけで来ている方も非常に多いんですね。トンカツがメインのお店ですよ?なのに高齢者。
普通に考えたら、トンカツなんですからお年寄りの方が敬遠しがちだと思うんですけど、そうじゃない。じゃんじゃん昼時になると車でお客さんが来ます。ナンバープレートを見ると「柏」といった表記も目立ちます。
そのくらい感動したお店でした。
”柔らかいカツ”を提供することで、普通のカツ専門店がお客様にしにくい「高齢者」を客層にできているんですね。これは簡単に真似できないですが、すごいマーケティングです。他のカツ屋と競争にもなりにくい。
マーケティングには3つある
よく僕は、池と魚の関係でマーケティングを考えているんですが
・池の中の「コイ」を上手に釣るためのマーケティング
・池そのものを新しく作るマーケティング
こういう風に考えていたんです。
ただ、やま忠の場合は
・池の中の「コイ」以外の魚を上手に釣るマーケティング
なのかなぁって思いました。
体感としては「池そのものを新しく作るマーケティング」んですけど、小さい規模の組織でも取り組めそうだなぁという点が今回の気付きでした。
「市場そのものを作る=新しい価値観を根付かせる」と言うのは規模が大きくなりがちで個人とか小さい組織だと難しいですよね。時間もかかるから、初動が間違うと大きくポシャる。だから、やらないってなりがち。損益分岐が乗らないとお金も垂れ流しになっちゃいます。
ただ、今回このトンカツを食べて思ったのは、「トンカツ一つでも新しい価値は提供できる」って事です。やわらかいトンカツを作るってのは、頑張れば小さい組織でもできそうです。難しそうだなぁと感じたのは、「美味しいカツでなくて、柔らかいカツ」を作ろうってイメージできるかなぁという点です。顧客視点だけでは、きっと「美味しいカツ」を目指しちゃいがちですよね。ここはやってみないと気づけないんでしょう。
という訳で、僕もこの3番目のマーケティングを念頭に入れながらこそこそ頑張りたいと思いました。